Solarain様より発売されました『Colors:BLUE』フィギュアレビューです。
今回ご紹介するフィギュアは、中国深圳に拠点を置く新興フィギュアメーカーである Solarain様が送り出した期待作、『Colors:BLUE』です。
セクシーかつサイバー感に溢れたデザインがSNS上でも密かな話題になっていたフィギュアですが、その出来栄えたるや如何なものでしょうか?
それではお付き合いの程よろしくお願いいたします。
*今回のフィギュアはその特性上、モニターやスマホの画質設定がダイナミックなどの色彩強調系の場合には色味がおかしく表示される場合がございますのでご注意ください。
お堅い雰囲気のセーラー服の上着とは対照的に、煽情的なハイレグレオタードを身にまとい、大太刀を構えて不敵に微笑むクールな美少女。ずっしりとした下半身はえちえちかつ迫力満点。たなびくツインテールとスカートは動的な表現に溢れており、今にも動き出しそうなその立ち姿のインパクトは非常に強烈です。
幾重にも彫られた髪の毛の造形はとても彫刻的。流麗にたなびくツインテールの造形と艶やかな髪色が相まって、豊かな髪の毛の量感を見事に再現しています。
身に纏うのはお堅い雰囲気のセーラー服の上着ですが、袖の部分は柔らかな造形で表現されたダボつき感があり、お堅い中にも可愛らしさがあってグッドです。
その真下にはおよそセーラー服とは不釣り合いな、サイバー感あふれるぴっちりレオタード大胆に顔をのぞかせています。グラデーションが効いているとてもキレイな塗装も目を引きます。
さらに、そこから風にたなびく制服のスカートを経て、その下には際どいデザインのハイレグ部分が露わになっており、目線はまさにくぎ付けです。シェイプが効きつつも肉感たっぷりな下半身の造形も素晴らしい。
本来なら同居するはずのない相反する要素が折り重なり、非現実的かつ非日常感をこれでもかと感じさせてくれる様は圧巻の一言です。
このフィギュアの原案者であるAsagon.先生の優れたデザインを、優れた造形と上質な塗装により見事に再現出来ているのではないでしょうか。
さて、肉体的な造形・質感という点では優れたクオリティを発揮していると思いますが、見過ごせない点も存在しています。
それは、フィギュアの最重要ポイントと言えるお顔のクオリティです。
まず一つ目の気なるポイントは、お顔の造形がだいぶ簡略化されているという事。製品版の顔自体はすっきりとシャープに造形されており、これはこれで好みではあるのですが、デコマスに比べるとシンプルに過ぎるのは目にも明らかです。
彫刻的かつぷっくりと柔らかに造形されたデコマスのお顔に魅了されて購入した面も大きいので、かなり肩透かし感があります。また豊かで瑞々しい唇の表現も製品版ではいたくシンプルなものに差し替えられており、とても物足りなさを感じるところです。
二つ目は、これは既にSNS上などで物議を醸していますが、お顔の色に関する点です。恐らくは公式の説明文にもあった無機質感を求めての表現だと思いますが、ちょっとピーキーすぎるきらいがあります。
そもそもお顔の加工の仕方が太もも部分とは違うようで、白いPVCの上に恐らくは半透明のPVCを重ねたつくりになっていると思います。
これが相当に光による影響を受けやすい。例えば太陽光や演色性の高い光源でたっぷり照らしてあげれば美しく輝くのですが、逆に光源の質がそこそこだったり十分な光量を確保できない場合にはひどく血色が悪くなる。
そうなるとちゃんと着色された太ももとの色味の違いも顕著になりやすく、美観も損ないやすい。
しかも、半透明の膜は衣類(特に胸元の青いリボン)や髪の毛の色が被りやすくなるという問題も抱えています。
新しい技法にチャレンジするという事は素晴らしいことだとは思いますが、果たしてちゃんとテストを重ねてリリースしたのでしょうか?
生産工場傘下のフィギュアメーカーであるのならば、そういった点はちゃんとできそうな気がするだけに、とても残念に感じるところです。
ただまあ、残念なところは残念なのですが、個人的にはすでにかなり好きなフィギュアになってしまっている。顔の見た目は簡略化されているとはいえ十分に可愛らしく、肉体的な面では絶品。特にたっぷりと自然光を採光して照らしてあげると感動するくらい綺麗だったりするのでホント環境次第って感じです。
そしてローアングルからの眺めは見ての通り絶景です(^ω^)
飾り方のパターンも結構豊富でなかなかに楽しい。近接も遠距離もイケる優秀な武装美少女最高です。
大太刀やレーザーガンの造形・塗装ともにさほどコストがかけられている感じは無いですが、必要にして十分なクオリティはあるかと思います。
スカートを外すとハイレグ感マシマシになるけど、スカートがあった方がフェチ度が高くてどっちにするか迷うね(´ρ`)
総評
評価ポイント 83pt(シルバー)
・肌やパーツの質感・塗装の完成度 8/15点
・造形の完成度:7/10点
・フィギュアの健全度:2/5点
*メーカー対応の不具合があったので減点となっています。
・フィギュアの取り回しの良さ:5/5点
・表現度・雰囲気など:10/15点
★コストパフォーマンス:★★★☆☆
ということで、『Colors:BLUE』のご紹介でした。
個人的には問題点はあるにせよ大好きな雰囲気を持ったフィギュアではありました。ただ、デコマスとクオリティの差は出来る限り少ない方が良いでしょうし、あまりピーキーなつくりにするのも良くないとは思います。
やはり肌色の統一感というのは大事ですし、環境の違いによって印象の良しあしが決まってしまうのはどうかと思います。今後のクオリティアップに期待したいところです。
それではこれにて終了とさせて頂きます。お付き合いいただきありがとうございました。
コメント
コメント一覧 (2)
賛否両論ありますね。一番気に入ったのは、やはり肌というか顔です。顔のクオリティだけ他より見劣りする気がします
狙いは分らんでもないんですが、普通に顔と太ももの塗装を合わせた方が良かったとは思いますね。