IMG_7529




*写真は、AMAKUNI 艦隊これくしょん -艦これ- 鈴谷【Xmas】mode



久しぶりのフィギュア撮影tipsの記事になります。


今回はフィギュア撮影を始めた方が疑問に思うであろう、ライティングの基礎知識についてです。
かいつまんでの説明になる上に文章だらけの記事になりますが、ご興味のある方は最後までご覧いただければと思います。



1.そもそもライティングとは何なのか?

まずライティングについて話す前に、写真撮影におけるライティングの必要性について説明します。


普段写真を撮る上であまり意識することではないかもしれませんが、写真撮影において何かしらの被写体を撮影するためには、当たり前のことですが被写体に光が当たっていることが必要となります。


そして、当てる光には自然光と人工光があり、それらの光の当たり方によって被写体の写り方に変化が生じることになります。
ライティングとは、光の当て方や光量の調節によって被写体の写り方を決めていく為の照明技法であり、写真を撮影する上ではこの技術無しではままならないほどに重要なファクターであるわけです。



2.自然光撮りと人工光撮りの違い

次に自然光と人工光の違いについてです。それぞれの利点・欠点を上げながら説明いたします。


①自然光撮り
自然光には太陽光と月光がありますが、ここでは太陽光についてお話をします。

自然光を用いた撮影の利点は以下の通りです。
・当たり前のことですが、太陽光は演色性が最も高い光(高演色性)であり、太陽光を用いることによって被写体の持つ本来の色味を引き出すことが可能。
・照明機材が無くても撮ることが可能な為、コストパフォーマンスが高い。

反対に欠点としては
・時間や天候、季節や場所による制約を受けやすい。
・光のコントロールが難しい
・屋内で自然光を利用する場合は、その家や施設の採光度合いによってクオリティに大きな差が出る。


②人工光撮り
人工光は文字通り人工的に作られた光であり、各種電気系の照明やオイルランプなどの炎を用いた照明などが挙げられます。

人工光を用いた撮影の利点は以下の通りです。
時間や天候などの影響を受けることなく、ほぼ同一のクオリティで写真を撮ることが出来る。
・機材の程度にもよりますが、ちゃんとした機材を使えば光のコントロールがしやすく時間と労力の節約にもつながる。
・自分の思い通りの写真が撮りやすい。

反対に欠点としては
・高演色性の照明を用いなければ正確な色味の表現が出来ず、当然肌の美しさなども損なわれやすくなる。
・求めるクオリティの度合いによっては照明機材への高額な投資が必要。
・照明機材を展開する為にはそれなりのスペースが必要。


以上が自然光と人工光の違いになります。


☆Point

自然光と人工光、どちらがフィギュア撮影には良いのかと言う疑問があるかと思います。

まっちゃ個人としては、フィギュアを撮るなら人工光が良いのかなと思っています。
なぜなら、上記に示した通り人工光のほうが断然光のコントロールがしやすいからです。

例えば人物を対象にして撮る場合、真夏の太陽にさらされていても顔のディティールや肌の色味が大きく損なわれることは無いと思います。逆にフィギュアの場合は有効な光量の閾値がどうしても狭くなってしまうので、美しく撮るためには細かな光量調節や光の射出角度の工夫が必要となります。
その点で、人工光はフィギュアを撮るのに好条件な要素が揃っていると言えるかと思います。

決して自然光で撮れないとは言ってないですし、実際に自然光できれいな写真を撮られる方もいらっしゃいます。しかし、自然光で撮る場合は撮影場所の採光度合いも大きく絡んでおり、環境による向き不向きも大きいというのが実際のところだと思います。

ただ、人工光は初期投資にそれなりの金額がかかってしまう面がありますので、フィギュア写真を始めたいという方はとりあえず自然光で撮ってみるというのも一つの手です。



3.フィギュア撮影のおおまかな種類

以上を踏まえて、ここからは人工光を用いたライティングについて説明していきます。

フィギュア撮影に用いられる撮影の種類としては、おおまかに以下の二つが挙げられます。


①商品写真的撮影

何をもってして商品写真的な撮影であるとの定義は無いかと思いますが、ここでは全体に光が周り適度な影と立体感のある写真としておきます。

フィギュアメーカーHPなどで目にする商品写真の多くはこのタイプであると言えるでしょう。
またフィギュアレビューブログにおける写真もこのタイプが多勢です。

商品のディティールや色味を把握するには恐らくは最も適切な撮影法と言えるかもしれません。


②フィギュアポートレート

ここで言うフィギュアポートレートとは、フィギュアに当たる光や影の入り方を工夫し、そのフィギュアを魅力的かつ印象深くなるように意図して撮影した写真とご理解ください。

フィギュアを生き生きと魅力的に撮影したいと考える場合は、総じてこのタイプの撮影法を実践しているように思われます。


以上のように、それぞれの撮影法によってフィギュアの写り方には大きな違いが発生すると思います。
フィギュアの状態やクオリティを分かりやすく見る方に伝えるのであれば商品写真的撮影が良いとは思いますし、フィギュアを魅力的に写したいのであればフィギュアポートレートが良いのではないかと思います。

ちなみに私はレビュー写真を撮る際には、ほとんどのレビューでフィギュアポートレート的な考えで撮影を行っています。



4.フィギュア撮影に必要なライティング灯数について

フィギュア撮影には以上のような種別があるのはご理解いただけたかと思いますが、それではそれを実践するために必要なライティングの灯数についてもお話しします。

まずライティングの基本としては三点照明という重要な考え方があるわけですが、その基本に倣えば3つ照明があれば十分なように思えます。

しかし、実際のところは三点では不十分というシチュエーションはままある話で、三点で充足させる為にはそれなりの工夫が必要となる場合が多いです。

特に商品写真的撮影の場合、本当にキレイな商品撮影を行うには三点では足りず、少なくとも四灯は照明を用意する必要があるなと言うのが私の個人的な考えです。

また、フィギュアポートレートにおいては照明は一灯でも撮影はできますが、表現の幅を広げたり撮影の簡易化を図るためにはやはり照明は多くあった方が好ましいです。ただ、商品撮影に比べればその条件は緩いので、少ない灯数でも印象深い写真を撮ることは十分に可能だと思います。



5.写真の参考例

①商品写真的撮影の例

・マジックバレット みぶなつきオリジナルキャラクター 『妄想秘メ事少女 一』 フィギュアレビュー(リンク先R18注意)
https://yukinofurusoranibis.blog.jp/archives/27838950.html


ガチで商品写真的撮影を行おうと思った当ブログの貴重な例(笑
使用灯数は三灯ですが、フィギュアのクオリティに助けられて何とか撮ることが出来ました。


②フィギュアポートレート的な例

・マジックバレット『天三月オリジナルキャラクター 艶姿 陸』フィギュアレビュー(リンク先R18注意)
https://yukinofurusoranibis.blog.jp/archives/29326108.html


このレビューのグレー背景の写真は実は一灯撮影で撮影しています。レフ版も使用していません。
写真のテーマによっては、一灯撮影でも十分に効果的な写真を撮ることが出来るのではないかと思います。


・AMAKUNI 艦隊これくしょん -艦これ- 鈴谷【Xmas】mode フィギュアレビュー
https://yukinofurusorani.livedoor.blog/archives/26475071.html


この写真は、ぱっと見た感じでは商品写真的撮影に見えますが、実はフィギュアポートレートです。使用灯数は二灯。個人的にはとても気に入っている作例となります。



まとめ


今回はライティングの基礎知識というお題で話を進めていきましたがいかがだったでしょうか?

フィギュアのライティングは他の被写体に比べて特殊な面もありますが、大枠ではポートレート等と考え方は変わるものではありません。

ライティングに興味のある方は、他の情報もぜひ調べて知識を深められるのが良いのではないかと思います。

また、この先は実際のライティングの注意点などの解説を考えていますが、この記事の反響次第で作成するかどうか決めたいと思います。

それではこれにて終了とさせて頂きます。お付き合いいただきありがとうございました。

  駿河屋フィギュア