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前回からだいぶ期間が開いてしまいましたが、撮影講座の2回目を書いていきたいと思います。

今回は撮影編です。



回の講座を書く前に

前回の講座を書いた後に感謝のお言葉をくださった方もおり、大変うれしく思っております。
一方で講座の不満点なども寄せられており、大変興味深く見させていただいた次第です。


その不満な点として挙げられていた内容をご紹介すると

・揃える機材が多くてどこが初心者向けなのか?
・14万も費用がかかってなんだかな。。。


といったご意見でした。


正直ご心情はすごく良く理解できます。もっと簡単に安くできる方法は無いのかと思われるのも当然です。

ただ結論から言ってしまうと、前回の講座でも言った、お家で歪みなくキレイにフィギュアを撮影するためには、これが自分の考える最低ラインだと言うことです。もっと安上がりにキレイに仕上げる方法があったら私が教えて欲しいくらいであるということをご理解いただければと思います。

今回の講座では、なぜ機材を揃える必要があるのかというところの解説も交えながら進行していきたいと思います。


フィギュア撮影はスポーツで言うところの野球みたいなもんである

皆さんご存知の事かと思いますが、野球というスポーツを始めるためには数多くの物品を揃える必要があります。最低限形にするだけでも、ボール・グラブ・バットを揃える必要がありますよね?

フィギュア撮影も同様で、ただ撮るだけならスマホでも事足りますが、キレイな写真を撮るためにはそれなりの物品が必要になるのです。

例えばスマホで簡単キレイに撮りたいという要望があっても、それは現状ではかなり無理のある注文なのです。

例として、スマホを使って普通の環境下で撮ってみたフィギュアの画像がこちら

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蛍光灯下で撮影した画像ですので、当然のことながら色味は良くありません。
シャッタースピードを速くしてブレを抑えた結果、ISOを上げて撮らなければならず、画像のざらつきも顕著です。

その中でも特に問題となるのは、対象が大きく歪んでしまうということです。写真の歪みというのはそれを狙って撮った場合は別として、大きなマイナス要素となります。

今現在スマホに搭載されているカメラというのはほとんどが広角レンズを搭載しており、対象を大きく撮るためには近くに寄らなければなりません。それが歪みの原因となるのです(広角レンズの特性については、他に詳しいサイトがたくさんありますので調べてみてください。)


大げさなようですが、機材を揃えないで撮る写真と言うのはこのくらいが限界だと思います。
それぞれの機材の役割に関しては、機材編にて説明していますので、そちらをご参照ください。


撮影のセッティング

前置きが長くなりましたが、ここから実際の撮影に移っていきたいと思います。
今回はフィギュアを始めとした物撮りの定番とも言える、背景白飛ばし撮影を行うためのセッティングです。うちのブログでも定番の撮影方法となっております。

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もっと広く見せたいところなのですが、そうすると色々と見えてしまうのでご勘弁ください(^^;

撮影台は前回紹介したテーブルを横に隣接させ、ベニヤ板を乗っけて構築しています。
後ろにはハンガーラックを配し、そこにフックとクリップをかけ、台紙と背景布を吊るして台の上にもってきています。

両横の黒の遮蔽版の裏にクリップライトを配し、背景に向かって直接照射します。これが背景を白飛ばしさせるための要です。

上からはアームライトをトップライトとして使用。光の照射を制限するために、遮光板を左右からアームクリップで固定しています。遮光板の上にはトレぺを重ねてディフューズ。
また、トップライトの余計な光を切るために、フィギュアの上方に黒画用紙をテープで付けています。



また、分かりにくいですが、右下には手製の簡易ソフトボックスが鎮座しています。これが撮影のメインライトです。

簡易ソフトボックスは段ボールの外ラップと内ラップを切り取り、中に白画用紙を張り付けて作っています。その中にクリップライトを入れて内部に光を反射させることで間接光としています。

*LEDライトですので発熱はあまりありませんが、試されるのであれば熱のこもりには十分に注意してください。まっちゃは熱の放出口を外に出し、電球部を密接させないようにしていました。あくまで自己責任の上での使用となります。

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これらの照明の他、カメラの後ろにはフロントライトとしてアームライトが1個設置してあります。
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撮影の手順

ここからは手順をおって撮影の仕方を見ていきましょう。カメラのセッティングとかは省略するのでご了承ください。お相手はAMAKUNIさまの島風ちゃんです(*'ω'*)


1.メインライトの調整
まずはメインライトを当て、お顔への光の当たり具合を調整します。
ライトを右斜め前方から当てる理由としては、斜めから当てることによって鼻立ちをしっかりと際立たせるためです。これが正面(順光)からになると、お顔のディティールが著しく損なわれることになるので注意です。

光の当たらない場所があるという場合は、レフ板を用いて対応しましょう。

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2.左右のクリップライトを順番に点灯する
順番に点灯し、それぞれの光の回り具合を見ていきます。後ろのライトは白飛ばし用兼フィルインライトであり、空間の光を満たすと同時にフィギュアの側背部を照らす重要なライトです。

斜め後ろからのライトですので半逆光と同じ効果となり、フィギュアの立体感と幻想的な雰囲気を付与するのに大きな役割を果たします。

光線の射入角は適当でも良いのですが、あまり上過ぎれば下側が白飛びしませんし、角度によってはフィギュアへ当たる光も変化してしまうので注意が必要です。

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後ろの背景布は多少皺の寄った状態ですが、白飛ばしをしてしまえば全く目立たなくなります。
ただ、これだとまだ暗い部分が残ってしまっていますね。

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3.トップライトを当てる
トップライトを当てることによって、空間の光を更に満たし、背景の暗い部分を全て明るく塗り替えます。本来であればソフトボックスを用いて対応するのが望ましいのですが、私は上記セッティングの通り、上部に遮蔽板を設けたうえで隙間を開け、トレぺをポン付けして簡易的な面光源として扱っていました。

トップライトは真上から当てると、フィギュアの頭頂部のハイライトがキツくなってしまう上に、顔にキツい影が出来てしまう可能性があります。
拡散性の高い面光源を使用しているのならその限りではないかと思いますが、基本的には対象の後方や斜め後ろに設置するのが良いかと思います。

この撮影でも、トップライトはフィギュアの後方から照らす形となっています。分かりにくくてすいません(^^;

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4.フロントライトを当てる
上記3までで私としてはオッケーかなと言うところなのですが、もっとお顔に光が欲しい場合はフロントライトを当てるのがおススメです。

フロントライトは文字通り順光となりますので、決して光量を強くし過ぎないことがポイントです。弱めの光を当ててより純白にし、なおかつ余分な影を消すために用いています。

フロントライトも面光源にすることが望ましいですが、私はアームライトの中心光を当てずに周辺光の端の方を当てて対応しています。


5.ピント合わせを行う
ポートレートの場合はピントを合わせる位置はまつげと言われていますが、フィギュアの場合ですと、ピントを合わせる位置は瞳です。フィギュアってお目眼がぱっちりと大きいものが多いので、ここに合わせないとモノによっては像がぼやけた印象になってしまいます。

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お顔の写ってる写真だと、瞳のピントがしっかり合ってない写真はどうしても違和感を覚えてしまいます。フィギュアを撮る上では非常に重要なポイントですね。


6.F値と明るさの調整
最後にF値を決めて被写界深度を調整し、シャッタースピードを調整してどれくらい明るくするかを決めます。

F値とシャッタースピードによるボケの変化や明るさの調整などはここでは解説しませんので、ご自身で調べてみてください。ごまんと検索に引っかかるはずです。

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これでシャッターを切れば完成です!

所為、ビューティー系のライティングといったところでしょうか(笑

スペース的な問題で、多少後ろ髪の方に強めのハイライトが出てしまっていますが、スペースに余裕があるのならこの問題も解決できるのではないかと思います。



*このセッティングの問題点について
この機材・セッティングは多くのフィギュアに対応できるものだと思いますが、苦手とするシチュエーションも存在します。

まず、手製の簡易ソフトボックスはポン置きのため可動性を持たせることが出来ず、顔と脚の前後が極端に離れているもの(体育座りなど)だと光の当たり方に極端な差異が出てしまい不向きです。

また、使用している定常光は光量の調節機能など付いていない汎用品のため、光量の調節は距離を近づける・離すことや、トレぺの枚数を増やして光を弱めることによって行います。これが結構めんどくさく、スペース的な問題も出てくるかもしれません。

あとは、トップライトの照射範囲と強さの調節もかなり難しいので、背景をくっきり見せたい撮影にも難があります。

格安で構築できるセッティングであるがゆえに、制限もあるということをご理解いただければと思います。



おまけ

ここでひとつ、写真のアクセントとなる小技を紹介しておきます。
超かわいいアルファマックスさまの狂三ちゃんですが、彼女のキャラクター上、もう少し影がある雰囲気が欲しいなって思ったりしませんか?


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そんな時は、黒レフを当ててやると、良い感じに影が入ってビシッと決まった印象を出すことが出来ます。セッティングはこんな感じです。

わざわざ黒レフを作らなくても、黒画用紙をポンッ!と白レフの反射面を覆うように置いてあげればオッケーです。
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完成した写真がこちらです。美少女フィギュアでも割と使えるものも多いと思いますので、よろしければ参考にしてみてください。

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編集後記

教えベタな人間が少ない知能を動員して何とか記事にしてみましたがいかがだったでしょうか?

たぶん足りないところもあるとは思うんですが、足りないところがあったら教えてください(^^;
出来る範囲で対応いたします。


それではこれにて終了とさせて頂きます。お付き合いいただきありがとうございました。

*今回使用させて頂いたフィギュア
AMAKUNI 艦隊これくしょん -艦これ- 島風 
アルファマックス デート・ア・ライブ 時崎狂三 ランジェリーVer.